※本投稿は健康な成人(妊婦を除く)を対象としたもので、イメージのためにリンクは貼りますが特定の薬剤を推奨したり禁止するものではありません。
胃薬にみなさんが求める効果が何かというところから始まると思うのですが、ここでは胃もたれとか、胸焼けとかそういった症状を念頭に記載します。
胃の症状が持続するのであれば胃カメラやピロリ菌の検査も検討
ストレス社会と言われる昨今、特に若い方の中には上記のような症状をお持ちの方も少なくありません。
機能性ディスペプシアという病気がありますが、心の状態と関係して症状が良くなったり、悪くなったりする方がいます。
ただし診断には、胃カメラで怖い病気(胃潰瘍とか癌とか)を除外することや、日本では比較的多いピロリ菌感染症がないかどうかも調べた方が良い場合があります。ピロリ菌を除菌すれば良くなることもあるようですしね。
ちなみにピロリ菌は子供の時に感染するので、大人になってから新しくかかることはありませんので大人になってから一度調べておくのも悪くないかもしれませんね。
実際の薬
ファモチジン(ガスター®︎) 胃酸を抑えて胃もたれや胸焼けを改善
ヒスタミン受容体拮抗薬のうちH2ブロッカーと呼ばれます。ちなみにH1ブロッカーはアレルギーの方です。H2受容体は胃酸の分泌に関わり、胃酸を抑えることで胃もたれや胸焼けを軽減する効果があります。
病院ではそれよりも強力なプロトンポンプ阻害薬という薬が主流ですので、何か理由がないと使わなくなってきています。
使うのであれば正直単回で使用というよりは続けて使う方が効果があるんでしょうが、まあここでは続けて使ってくださいとかそういうことは言いません。
ちなみに別の記事で紹介している痛み止めのNSAIDsを長期使用するときに胃潰瘍の予防でプロトンポンプ阻害薬が使われますが、ファモチジンについては胃潰瘍の予防になるという根拠には乏しいという見解になっているようですのでご注意くださいね。
他にも制酸薬として色々な商品がありますが、病院でまず出す系統のものが見当たらないので、胃酸を抑えるという意味ではファモチジンのみにとどめたいと思います。
ブチルスコポラミン(ブスコパン®︎)
抗コリン作用=腸の動きを抑える作用がギューっとするような腹痛に効く
腸の動きを止める薬で、抗コリン作用を有します。
自律神経という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これは交感神経と副交感神経からなります。ライオンに追いかけられるような張り詰めた状況で交感神経は活発になります。アドレナリンが湧き出るやつですね。
一方、副交感神経はリラックスしている時に活発になります。こういう時に消化したり、トイレに行きたくなるわけです。こちらはコリンが関係しています。つまりコリンは腸の運動を促す作用があります。
つまり、抗コリン作用というのは腸の運動を抑えるわけです。いわゆる腸全体の蠕動痛に効きますので、何も胃に限った話ではありません。腸も含めた消化管は平滑筋という筋肉でできています。これがギューっと縮むとさしこむような痛みとして感じることもあるわけです。
副交感神経に関わるので使えないことも多い
副交感神経は全身に作用して実にさまざまな働きをしています。瞳孔の調節、心拍数、呼吸、消化、排尿など、挙げればキリがありません。
一部の緑内障に使えないとか、不整脈の原因になるとか、尿が出ないとか色々起こり得ます。
使えない病気もたくさんあるので、通院中の方は安易に使わず、どうしても検討するのであれば主治医の先生や薬剤師の先生に相談しましょう。
もし使うなら単回使用でしょうね。まあ腹痛の原因によっては使わない方がいいですけどね。なかなか難しい。
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