※本投稿は健康な成人(妊婦を除く)を対象としたもので、特定の薬剤を推奨したり禁止するものではありません。
結構便秘で悩まれる方って多いと思うんですよね。ただ製品によっては使い方を間違えると、乱用につながることもありますので注意しましょう。
便は週に2日出ればおおむね問題なし
時々便というものは毎日出なくても、1日おきくらいには出さなければいけないと思う方もいるようですが、大体週2日くらい出れば良いです。それ以上出すために頑張ってお薬を使う必要性は医学的には乏しいと言えるでしょう。というかデメリットにも注意しましょう。
食物繊維や適度な運動もお忘れなく!
大きくは便を柔らかくする薬と腸を刺激する薬に分かれる
難しくいうと浸透圧性下剤(便を柔らかくする)と刺激性下剤(腸を刺激する)に分かれます。
柔らかくする薬は、たとえばお野菜に塩をかけると野菜から水が出てくると思うのですが、ご紹介する酸化マグネシウム(塩)が腸(野菜)から水を引っ張ってきて、お通じが柔らかくなるというイメージでしょうか。便が硬い方は良い選択でしょう。使い過ぎると下痢をします。
刺激する方は基本的に時々使うことです。毎日使うと体が慣れてきて、乱用につながることがあります。腸の粘膜が変性したり、体にさまざまな負担がかかるので、自己判断で使うならせいぜい週に2回くらいにしておきましょう。
まあ病院でもまず便を柔らかくする薬を使って、イマイチであれば週に1、2回刺激性のお薬も検討するということはありますね。
浣腸薬の類については、時々使うこともあるのですが、比較的体に負担になることも多いですのでここではお勧めしていません。便が降りてきていない状態では効きませんのでご注意を。
実際の薬
酸化マグネシウム
すでに名前を出した便を柔らかくする浸透圧性下剤ですね。時々使ってもいいですし、毎日飲んで徐々に整えていくという方がよくある使い方かもしれません。
市販のものは1錠330mg程度のものが多いようです。1錠を寝る前とか、2錠を朝夕食後とかから始めてもいいと思います。そこから1日3錠にしていくとか、ご自身の生活スタイルに合わせて調整されると良いかと思います。
1日6錠まで飲めるようですが、小職の場合大体3-4錠くらいまで使って、それでもイマイチだったら別の薬を足すことも多いです(たとえばピコスルファートなどを時々使うなど)。
水を多めに摂るようにすると効果が高まるので、患者さんにお伝えすることもあります。
ピコスルファート(ラキソベロン®︎)
刺激性下剤としてはいくつかあるのですが、病院でよく使われるものが本剤になるので、他はあえて記載しません。
基本的には便を柔らかくする薬から使うこと、原則として毎日使う薬ではないということは知っておいても良いかもしれません、
おすすめは夜寝る前
午前中に効果を期待して夜寝る前に使うことが多いです。
液体と錠剤と2種類のものがあり、小職の経験では液体の方が病院では主流だと思います。便を柔らかくする作用と、腸を刺激する作用があります。液体の方が量は調整しやすいのかもしれません。
少なめから調整しましょう。初めからたくさん使うとお腹が痛くなることもあります。
頻度は週2回くらいが目安?
連日使うと、だんだん慣れてきて量を増やしても効かない、なんてことになりかねません。あまり良くないので頻度としては少なめで使うことをお勧めします。
番外編 トリメプチン(セレキノン®︎)
本薬は過敏性腸症候群と以前に診断された方しかご利用いただけませんので、過敏性腸症候群って何?という方は恐らく対象外でしょう。笑
診断には大腸カメラをして、大きな病気(癌とか炎症)がないことが前提になります。数ヶ月下痢があったり、数ヶ月にわたって週に1日は腹痛がある方は受診してみても良いかもしれません。
過敏性腸症候群は、便秘型、下痢型、混合型(便秘と下痢が両方ある)があり、いずれの場合も腸の動きを調整して症状を和らげる効果が知られています。
くどい様ですが、自己診断では買えませんのでご注意くださいね。
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